ウォルフスブルクの日本代表MF長谷部誠(29)が、同MF清武弘嗣(23)らが所属するニュルンベルクに移籍することで両クラブが合意したと地元紙ニュルンベルガー・ツァイトゥングが報じた。ニュルンベルクのバーダー強化部長が30日、同紙に明らかにした。9月2日に身体検査を行い、16年までの3年契約を結ぶ見込みで「マコトはブンデスリーガを分かっているし、ドイツ語は完璧。日本代表主将として人格者であり、すぐに我々を助けてくれるだろう」と話した。

 長谷部はウォルフスブルガー・ナハリヒテン(電子版)に「ウォルフスブルクでは定位置争いが激しい。悩んだが、試合に出たいし、ニュルンベルクなら最も好きな守備的MFで出られる」と語った。ウォルフスブルクは今季、Bミュンヘンからブラジル代表のボランチ、グスタボを獲得。開幕戦からベンチを温め、出場は途中出場の1試合、わずか6分間にとどまっていた。

 長谷部は08年1月に移籍し、移籍2年目で主力としてウォルフスブルクのリーグ初優勝に貢献するなど、チームへの愛着は強かった。しかし、来年のW杯ブラジル大会を考えると、試合への出場機会を優先せざるをえなくなった。昨年も、前監督の方針でリーグ戦での出場がなくなり、日本代表でのパフォーマンスが落ちた経験がある。それだけに、今回の移籍話では、長谷部がクラブへ移籍の希望を出していた。

 専門誌キッカー(電子版)は移籍金約は250万ユーロ(約3億2500万円)と伝えている。(中野吉之伴通信員)<長谷部と一問一答>

 -5年半過ごしたウォルフスブルクを退団

 長谷部

 悲しい。(リーグ)優勝したし、欧州CLにも出場し、残留争いも戦い抜いた。いろいろなことを体験し、素晴らしい時を過ごさせてもらった。

 -決断は容易だったか

 長谷部

 オファーが来たときは移籍するべきか、すごく悩んだ。(優勝メンバーの)シェーファーやベナリオら友人もできたし、難しい決断だった。

 -ニュルンベルクは清武と金崎がいる。勧められたのか

 長谷部

 清武と電話したら来るべきだと言われた。ニュルンベルクはとてもいい町で人々もウォルフスブルクのように優しいと話してくれた。

 -出場する可能性が高ければ残留したのか

 長谷部

 そうだと思う。試合に出るのが自分にはとにかく大事なことだから。

 -思い出は

 長谷部

 最高の思い出はリーグ優勝。ジエゴ、ジョズエら素晴らしい選手たちと一緒にプレーさせてもらえたことだ。