<アジア大会:陸上>◇第10日◇28日◇韓国・仁川

 競歩の男子20キロで、日本競歩界悲願の金メダルが期待された、今季世界ランク1位の鈴木雄介(26=富士通)は、1時間20分44秒で惜しくも銀メダルに終わった。

 10キロを過ぎて、王鎮(中国)とのマッチレースに持ち込んだが、16キロを過ぎてロンドン五輪銅メダリストに一気に突き放された。「残り4キロで心拍数が195に上がった。この感覚なら止まってしまうかもと思った。付ききれず気持ちもやられ、追いかける余力はなかった」と、観念した様子で振り返った。

 ピーキングの失敗も金メダルを逃した要因だ。5月のW杯で「気持ちが上がりすぎ、バーンアウト状態が今回、響いた。その甘さが残り4キロに出た」と話した。陸上チームの主将として「金メダルで勢いづけたかった。最大のチャンスだったのに役目を果たせなかった」と肩を落とす一方で、2年後のリオ五輪に向けて「80%の状態で臨んで勝負できた。世界レベルでも入賞ラインには入っている。リオ五輪は名実ともに世界トップとして金メダルを狙いたい」と、心までは折れていない様子だった。