ハンドボール男子日本代表が、大きな白星を逃した。1次リーグ最終戦で前回大会銀メダルの韓国と対戦し残り3分まで2点リードしながら退場者を出して26-26で引き分けた。大会最大のヤマ場とみられた韓国戦で勝利を逃した日本は得失点差で下回りB組2位。2次リーグでは前回優勝のカタールと同組になった。

 勝利は目前だった。残り3分で笠原が決めて26-24。6月に18-25で敗れたライバルを追い詰めた。しかし、直後に信太主将が退場。1人少ない2分間で2失点し、信太は「勝ちきれなかったのはチームとしての甘さ。悔いが残る」と、わずかの差で勝利を逃した悔しさを口にした。

 4年前は屈辱の9位。だからこそ、信太は「メダルを狙いたい」と話し、雪辱に燃えていた。1人が高い位置でプレッシャーをかけ、5人が引く守備がはまり、韓国を苦しめた。互角の展開に持ち込んだが、勝ちきれず。東江とともにチーム最多の6点を決めた元木は「勝てるチャンスは何度もあった」と話した。

 シグルドソン監督は今大会を「経験の場」と位置づけ、この日も「いいパフォーマンス」と評価した。それでも、1位突破を逃した引き分けは、敗戦と同じ。「チームはレベルアップしている」と東江は話したが、それを証明するには強豪カタールなどと争う2次リーグで力を出し切るしかない。