青学大が5時間13分11秒で2年ぶり2度目の優勝を果たした。10月の出雲駅伝に続く今季2冠目。史上初となる2度目の3冠へ王手をかけた。

選手層の厚さを見せつけた。今大会から7区が11・9キロから17・6キロになるなど全8区間中、最終8区(19・7キロ)以外の7区間で距離が変更された。7区、8区の距離が長く、エース格の投入を余儀なくされる。ただ1区(9・5キロ)、2区(11・1キロ)3区(11・9キロ)を軽視すれば、流れを失う。他大学は4区から6区に主力を投入できないと分析した原監督は、4区に今年の箱根駅伝で大会MVPを獲得した林奎介(4年)を起用。選手層の厚みを生かし、前を走っていた東海大との差を詰め、逆転の流れを作った。

東海大から37秒差の2位でタスキを受けた林は26秒差を詰めた。5区吉田圭太祐也(3年)で24秒差、6区吉田圭太(2年)で11秒差に迫った。7区を任された主将の森田歩希(4年)が3キロ付近で東海大の背中を捉えると、8キロすぎに前に出て、そのまま差を広げていった。アンカーの梶谷(4年)はそのままトップを独走した。出雲駅伝と箱根駅伝は過去4度ずつ制しているが、まだ1度しか優勝していない「難関」と位置付けていた全日本大学駅伝を突破した。

青学大は常勝軍団となりつつある。チーム作りの哲学を原監督は言う。「陸上を辞めた後の輝かしい人生を送るように。今、輝かないと将来も輝かない。順番が1番から最下位までつくのが陸上競技。何番になっても一生懸命やりなさいと指導しています」。人生は競技生活より遥に長いから、今後につながる糧を学ばせている。同時に練習の手を抜けない空気がチームの文化と根付いているから、成績も安定して強い。

箱根駅伝では2度目の3冠に挑む。追われる立場の中、その権利をしっかりと得た。