来年1月2、3日に行われる箱根駅伝に向けて、2年連続3度目の出場となる東京国際大が13日、埼玉・坂戸市内の同大で練習を公開した。11年世界選手権男子5000メートル代表の経験も持つ、31歳の2年生渡辺和也は「たすきをつないで、シード権を取りたい」と同大が2度出場した時の17位を上回る結果に意欲を示した。渡辺は前回大会は7区を走り区間7位。「勢いづけるきっかけを作るためにも、できれば往路の4区を走りたい。前回より区間順位を上げて、できれば区間3位以内で」と飛躍を誓った。

将来的に体育教師を目指す渡辺は、夏は教職課程の授業がめじろ押しとなり「陸上に集中し切れなかった」と言葉少なに言う。7月後半から約1カ月間の北海道、岐阜での合宿も途中で抜け、しっかりと授業に出席。電車通学の隙間時間にも、道徳教育に関するキーワード暗記に費やすなど、時間を有効に使う工夫を凝らした。教職課程では体育実技もあるため、苦手なマット運動などの練習にも時間を割いた。「体がかたいので、倒立前転とか苦手で。できるまで1週間くらいかかってしまいました」。

それでも「去年は1週間に200キロくらい走っていたものが、今年は230キロとか220キロになる時も何回かあった」と昨年よりも距離を積んできた。自身2度目の箱根を目指し「単位を取らなければならないので明日も教職のテストがあるんですけど、しっかり箱根モードに切り替えたい」と妥協せずに前進する。

 

◆渡辺和也(わたなべ・かずや)1987年(昭62)7月7日、兵庫県西宮市生まれ。深津中で競技を始める。報徳学園高卒業後、山陽特殊製鋼、四国電力、日清食品グループに所属。11年の日本選手権5000メートルで優勝し、同年アジア選手権4位、同年世界選手権日本代表。17年4月に東京国際大人間社会学部人間スポーツ学科入学。自己ベストは5000メートル13分23秒15、1万メートル27分47秒79。趣味はゲーム。家族は両親と兄。