世界選手権の女子マラソンで18位と敗れた尾崎好美(30=第一生命)が18日、ロンドン切符のかかる横浜国際女子マラソン(20日午後0時10分号砲)に向け「不言実行」を貫いた。横浜市内で行われた招待選手会見。どんな質問にも「世界選手権では『金メダル』と言いすぎて、力みすぎた。もう変なプレッシャーはかけない」と、かたくなに「五輪」の2文字を封印した。

 今回の横浜は強力なライバルが見当たらず、尾崎本命は揺るがない。だからこそ、ただ勝つだけでなく、勝ち方が求められるところ。日本陸連は女子の五輪選考会としては初めてペースメーカーを採用。「5キロを16分50秒」で25キロまで引っ張り、そこからどうレースを組み立てられるかがテーマ。高低差7・3メートルという平たんなコースを考慮すれば、2時間22~23分の記録は最低限。尾崎は本当に世界相手に戦えるのか-。そんな意味を込めた「追試」と言っても過言ではない。

 世界選手権直後は気持ちがなえた。だが、2晩寝たら「納得できない」。チームでの特別扱いはなく、駅伝練習をこなしながらの参戦だ。この日は意気込みがにじむ短髪での登場。五輪に出たいか?

 と問われると「言葉でなく、内に秘めたい」。尾崎の決意が見えた。【佐藤隆志】

 ◆女子マラソンのロンドン五輪代表選考

 今夏の世界選手権と今回の横浜国際、来年1月29日の大阪国際、同3月11日の名古屋ウィメンズ(旧名古屋国際)が対象レース。各大会の上位から、五輪での活躍が期待できると思われる3人が選ばれる。世界選手権はメダルを獲得した最上位者が代表に内定するはずだったが、当該者はいなかった。