クリストファー・フルーム(英国=スカイ)がモンバントゥの頂上ゴールのステージでアクシデントに見舞われながらも、総合首位を守った。

 ステージ優勝はトーマス・デヘント(ベルギー=ロット・ソウダル)で、2秒遅れの2位にセルジュ・パウエルス(ベルギー=ディメンションデータ)、14秒遅れの3位にダニエル・ナバロ(スペイン=コフィディス・ソルーションクレディ)が入った。

 追走のメイン集団にいたフルームが最後の上りでアタック。リッチー・ポート(オーストラリア=BMCレーシング)とバウケ・モレマ(オランダ=トレック・セガフレード)が続き3人で抜け出した。しかし、残り2キロを切ったところで、先頭を走っていたポートが、沿道からあふれ出した観客と接触して急停止したTVカメラを搭載したモーターバイクと激突。これにフルーム、モレマが突っ込み3人とも落車した。モレマはすぐにリスタートし、ポートも自分のバイクで走り出したが、フルームはバイクが破損したため、なんとゴールを目指して走り出してしまった。間もなくマビックのニュートラルカーが追いつき代車に乗り込んだが、ポジションがまったく合わず、チームカーの到着を待ちチームが用意した代車でなんとかフィニッシュした。この時点で5分24秒遅れの11位でゴールしたアダム・イエーツ(英国=オリカ・バイクエクスチェンジ)が総合首位となり、トップから7分近く遅れてフィニッシュしたフルームは53秒遅れの総合6位となっていた。

 しかし、1時間の協議の結果、救済措置が認められフルーム、ポートはモレマと同じタイムが与えられ、トップから5分5秒遅れとなりフルームが総合首位をキープ。総合2位には47秒遅れでイエーツ、総合3位には56秒遅れでモレマが浮上してきた。ナイロ・キンタナ(コロンビア=モビスター)は1分1秒遅れの4位。

 フルームは「モンバントゥはいつも何か起こる。今日も例外ではなかった。ツール・ド・フランスでは予期せぬことを常に予想していなければならない。最後の数キロで起こったことは不幸なことだが、レース審判は適切な判断を下した」と話した。

 最初に転倒したポートは「そこにフェンスがなかったことは信じられない。観衆が道をすべてふさぎ、モーターバイクが目の前で止まった。逃げようがなかった。レースを楽しむのはいいが、バイクの横を走る必要はないし、選手をたたいたり押したりする必要もない」と苦言を呈した。

 一瞬だが総合首位に立ったイエーツは「こういう形でイエロージャージーを獲得したくないね。救済措置に感謝する。フルームがイエロージャージを着るのが正しいよ」と話した。

 新城幸也(ランプレ・メリダ)は28分24秒遅れの183位で、総合は2時間6分44秒遅れの140位。