<高校総体:みちのく発>

 柔道を選んで良かった-。男子90キロ級で初出場ながら準優勝した慶応(神奈川)・郡司拳佑(3年)は、別の競技でも将来を期待されていた。茨城・藤代中3年時にレスリング85キロ級で全国優勝した経験を持ち、高校入学の際は、同種目団体で4年連続22回目の優勝を飾った霞ケ浦(茨城)から誘いを受けたほどだった。

 柔道も並行して小学2年から始めたそうだが、こちらは全国大会とは縁がなかった。なぜレスリングではなく柔道を選んだのか。郡司は「投げ技があったりして柔道のほうが楽しかった。レスリング部のない慶応への進学を決めてたので柔道にしぼった」と話す。

 高校入学後は、柔道を本格的に取り組んだものの、なかなか結果が出ず悩んだ時期もあった。最終学年となった今回、激戦区神奈川を勝ち抜き、柔道としては初めての全国大会に出場。日本一にあと1歩と迫った。郡司は「地道に練習してきた成果で、監督やコーチに感謝したい。柔道を選んだことに後悔はありません。今後の全日本ジュニアや国体で雪辱します」とレスリングに続く頂点を誓った。【豊本亘】