男子100キロ超級の七戸龍(26=九州電力)は決勝で7連覇を飾ったリネール(フランス)に敗れて2年連続の銀メダル。

 対策を練っても、絶対王者は先をいった。七戸は「試したいことはまったくできなかった」と2年連続の決勝を振り返った。先に組んで先手先手で接近戦を挑むはずが、徹底して組み手を警戒された。逆にリネールがこの日多用していた引き込み返しで体を回されて1分すぎに技ありを許した。「入り方も独特で向こうのやりたいようにさせてしまった」と以降も攻めきれない。残り30秒では再び引き込まれて有効を失い、2年連続の敗北となった。

 昨年はあと1歩まで追い詰めた、と思っていた。残り45秒で大内刈りで横ばいに倒し、あとわずかで有効だった。その距離を縮めるために1年間苦心してきた。ただ「リネールはまた違うことをしてきた」と上をいっていた。井上監督も「研究してきたことをまったく出せなかった。壁は厚い」と王者の強さを認めた。

 組み負けながら一瞬の隙で迫った昨年、攻めていき新たな領域で対応された今年。距離は縮まったが、まだまだ遠い。七戸は「実力は向こうが上。また同じ技ではこないだろう。今回も材料にして研究し直す」と継続を誓った。