ロスタイムに逆転PGを決めた早大SO横山陽介(2年)は「真ん中だったので、普通に蹴れば入るとは思いました。ただ、真ん中だったので外せないなと思いました」と、試合後は淡々と緊張の場面を振り返った。

 29-31で2点リードを許し、ロスタイム1分をすぎた43分だった。慶応の反則から、22メートルライン付近で得たPGを確実に決めた。右手で大きく2回、左手で大きく1回、腕を振るルーティンも様になってきた。「コーチと話し合って、今年の春からやるようになってきました。右手はインパクトを、左手は体が開いた方が、ぼくはボールがまっすぐいくので、体を開くイメージでやっています。歩数も大体決めています」。五郎丸で有名になったルーティンを、スラスラと説明した。夏場に左肩亜脱臼して、チームに復帰したのは先週末。「キックの成功率は80%を目指しています。それを切らないように」。

 一方、あとわずかの時間をしのげば5年ぶりの早大戦勝利だった慶大は、主将SO矢川(4年)が試合後の会見で涙を見せた。「試合に出ていないメンバーに申し訳ない」。後半37分には、2点リードでPGを狙える機会もあったが、「FW戦で時間をかける選択でした」と、展開を見ながらの判断だったことを説明した。

 早大は4勝2敗、慶大は3勝3敗で、残り1試合となった。