東京都が2020年東京五輪のバレーボール会場として新設する有明アリーナ(江東区)の整備計画で、床を大会後のコンサートなどでの利用を重視したコンクリート製の構造にするとしている点について、日本バレーボール協会がスポーツ大会で利用しやすいように変更を求めていることが29日、関係者の話で分かった。

 バレーボール協会はコンクリート製の床の上の全面に緩衝効果のある床を常設する代案を示しており、他の競技団体とも連携して計画の見直しを要望していく方針。

 都の計画では、機材を搬入する大型車両が進入できるようコンクリート製とし、五輪などで競技を実施する際は選手の足などにかかる負担に配慮し、その上に可動式の木製床を設置する。ただ、関係者によると木製床はフロアの一部しか覆わない可能性があり、バレーボール協会側は「4、5面のコートが必要な全日本選手権や全日本高校選手権は開けない。五輪のレガシー(遺産)にならない」と懸念する。

 都は約1万5000人を収容する同アリーナの後利用では収益性を高める必要があり「床の基本仕様は利用頻度が高いと想定するコンサートなどのイベントに合わせるべきだ」と主張。木製床の施設は、他にも東京体育館など都内に多数存在すると指摘している。