ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(20=クラレ)が13日、平昌五輪と同会場で実施されるW杯2連戦(15、16日)に参戦するため成田空港から出発した。W杯個人歴代最多の53勝もかかるとあって気合は十分。会場は14年秋に合宿で訪れたが、当時雪はなく「冬の景色、感覚を吸収したい」と話した。

 ソチ五輪では4位に沈んだ。大舞台で力を発揮するため「人間力を高めることも大事」と言う。この2連戦に向け、2日間調整した長野・白馬村。休憩時間に1人でカフェに入った。繁忙期で空いているテーブルはない。6人席に3人で座っている外国人客につたない英語で相席を求めた。外国人客は快く迎えてくれたという。その後も身ぶり手ぶりで会話を続けた。

 「前までの自分なら、席が混んでいたら、違う店に移動していた。少しずついろんなことに挑戦していかないといけない」と笑う。近づくW杯個人総合優勝、そしてプレ五輪の重圧。その中で勝てば、また殻を打ち破れる。【上田悠太】