日本勢初の快挙には固い絆があった。バドミントン全英オープンの混合ダブルスを制した渡辺勇大(20)東野有紗(21=ともに日本ユニシス)組が20日、羽田空港に帰国した。

 福島の強豪・富岡第一中時代から結成7年目。空港での会見が初体験の2人は「一発屋では終わらない」と口をそろえ、最大の目標の東京五輪金メダルへ、結果を出し続けることを誓った。

 渡辺が中学2年、東野が中学3年のとき、たまたまインドネシアの国際大会でコンビを組み、表彰台に立つことができた。以来、互いに相性の良さを感じ、ペアを継続。3年前、1歳上の東野が日本ユニシスに入社。翌年就職活動する渡辺に「勇大くん、来てよ」とラインで同社の入社を勧誘。渡辺は「ありがたかったですが、僕の人生なのに」とジョーク交じりに言ったが、入社への大きな要因になったという。

 国内ではシングルスとダブルスに比べ、混合ダブルスは「二の次」のような扱いを受けてきた。日本協会は「メダルに違いはない」と、おろそかになっていた同種目の徹底強化を決意。1月にはマレーシアから五輪メダリストを育てた専任コーチを招き、強化を続けていたが、早速2人が絆の強さも武器に、同種目では初の全英制覇という結果を出した。

 バドミントンのペアは「オグシオ」「タカマツ」などニックネームが通例だが、渡辺は「名前でいいです」ときっぱり。東京五輪金メダルへ、今後も結果を出し続け「渡辺、東野組」の浸透を図っていく。