日本体操協会は30日、宮川紗江(18)が訴えた協会幹部のパワハラ疑惑について、第三者委員会を立ち上げて調査することを決めた。

宮川は前日29日の会見で塚原光男副会長(70)塚原千恵子女子強化本部長(71)から「五輪に出られなくなるわよ」などと言われたことを告白。この日午後の協会理事による緊急会議に出席した具志堅幸司副会長(61)は「パワハラが事実なら大きな問題」と、宮川の訴えを深刻に受け止めた。

協会側は前日の会見で「宮川本人から正式な申し立てがあれば調査する」としていたが、具志堅氏は「手続き上はそうだが、あれは選手からのサインです。それを受けて、迅速に対応するのが我々の役目」と、緊急会議の理由を説明。「協会と関係のない第三者委員会の調査結果を待ち、対応したい」と話した。

84年ロスオリンピック(五輪)金メダリストで日体大の学長でもある具志堅氏は、宮川の苦しい胸のうちを思い「18歳の少女が嘘をつくとは思えない。協会としては宮川を守っていこうということ。練習環境も確保したいと思う」と擁護。一部メディアに塚原副会長が宮川の発言について「すべて嘘」と言ったことについて「体操関係者として大変に残念」。さらに「選手をサポートするのが協会の仕事。選手のための協会でなくちゃいけない」と強調していた。