【ソルトレークシティー2日(日本時間3日)=三須一紀】スピードスケートのW杯第3戦が3日(日本時間4日)から米ソルトレークシティーで開幕する。日本政府が新型コロナウイルスのオミクロン株による入国規制の厳格化を進める中、海外遠征中の日本代表チームも難しい対応が迫られている。

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W杯を転戦している現地の日本代表チームも、オミクロン株に対する日本政府の厳しい姿勢は伝え聞いている。難しい状況だ。

ソルトレークシティー大会の次、W杯第4戦は10~12日にカナダ・カルガリーで行われる。ただ、政府が特例措置を認めなければ選手は帰国翌日から14日間の待機を課されるため、27~30日に長野で行われる五輪代表選考会に出場できない選手も出てくる。

カルガリー大会を回避する選択肢はあるかとの問いに、現地の日本スケート連盟関係者は「政府方針が決定していない現状で、W杯参戦を中断するわけにはいかない」と困惑気味だった。

一方、選手たちは02年の五輪会場「ユタオリンピックオーバル」で前日練習に集中した。平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(35=相沢病院)や女子団体追い抜き金メダルの高木美帆(27=日体大職)、今季のW杯男子500メートルで4レースで2勝と好調の新浜立也(25=高崎健康福祉大職)らが氷の感触を確かめた。

標高1300メートルの高地にあり空気抵抗の小ささから好記録が出やすい高速リンク。19年3月に女子1500メートルで高木美が1分49秒83の世界記録を出し、新浜も男子500メートルで一時、世界記録を更新した場所。各選手とも五輪代表内定や五輪本番に向けて弾みを付けたい場所だ。

そんな選手たちの気持ちとは裏腹に政府がどう対処すべきか。スポーツ界の統括団体として期待に応えていかなければならない日本オリンピック委員会(JOC)の今後の対応も注目される。