<男子ゴルフ:九州オープン>◇初日◇5日◇福岡・夜須高原CC(6820ヤード、パー71)◇賞金総額1500万円(優勝賞金300万円)

 プロを抑えてアマチュアが初日の単独首位に立った。日大1年の尾方友彦(19=グリーンランドリゾート)が6アンダーの65で単独トップ。ジュニア時代から慣れ親しんできた「おなじみ」のコースで7アンダー1ボギーと会心のゴルフを見せた。首位と3打差で佐藤祐樹(27=熊本空港)と伊波邦准(35=森川ゴルフガーデン)が2位タイに並んだ。

 アマチュアの尾方が「ロケットスタート」で2位以下をぶっちぎった。持ち前の爆発力は初日から全開。6アンダーの65に「出来すぎです。このコースはジュニアのときから試合でやっているのでやりやすいです」。経験豊富なプロでも「お手上げ」と悲鳴を上げる中で、尾方だけが明るい表情でクラブハウスに戻ってきた。

 「ホームの利」が生きた。高校時代には試合などで「10回ぐらいは回っている」という知り尽くしたコース。パットで苦戦する選手が多い中で、9番では9メートル、17番では4メートル、18番も3メートルのバーディーパットを決めた。「今日は2~3メートルのパットが決まりました」と大満足のゴルフで公式戦でのベストスコアをマーク。コース設定をした吉武敏郎大会運営副委員長も「67ぐらいでセッティングした。65は想定外」と尾方のスコアに舌を巻いた。

 ゴルフの名門日大で1年からレギュラー入りする実力者だが、8月下旬の日本学生選手権で予選落ちして帰ってきた。日本アマでもマッチプレーまで進めず「九州オープンで頑張らないと」と気合を入れ直した。上位10人が出場する来月の日本オープンの会場は、自宅から10分の所にある古賀ゴルフ・クラブ。「地元中の地元なんで絶対出場したいんです」と目標を掲げる。

 九州アマでは初日首位に並びながら、その後崩れて3位に終わった。「明日からもゆったりしたい。むちゃ振りしないよう気をつけます」と首位にも自分を戒める尾方。05年の大倉清以来、史上2人目のアマチュアVだって夢ではない。【前田泰子】