【パリ29日=今村健人】柔道男子日本代表が反省合宿を行う。代表は今日30日に帰国するが、男子は9月12日から早くも再始動することになった。73キロ級金メダルの中矢力(22)は「大会前から決まっていた『反省合宿』です」。女子52キロ級の中村美里(22)らが「早~い」と驚くほどだった。

 前日に行われた男女団体戦はともに、優勝した地元フランスに敗れて女子が銀メダル、男子は3位に終わった。特に男子は団体戦でも大将100キロ超級の上川大樹(21)が敗れるなど、最後まで重量級の惨敗が目立った。吉村強化委員長は「いいときに勝つヤツじゃなく、悪い状態でも戦える選手を鍛えないといけない。監督には『痛い、かゆいとか言って合宿に出られないヤツは切れ』と言った。甘やかす必要はない」と厳命した。疲れも何のその。五輪に向けて、反省合宿で厳しく鍛え始める。

 重量級の立て直しへ「超級はまとを1人にしぼって徹底的に鍛えた方がいい」と提言した強化委員長。篠原監督も「合宿の回数を増やす。あれもこれも呼ぶのでなく、今回の代表2人に若手を1人か2人加え、しぼって強化する」と、少数精鋭による重点強化を決めた。来年のロンドン五輪開幕まで、あと332日。死に物狂いの強化が始まる。