錦織景気でテニス業界が再浮上だ。プロコーチやテニスクラブの経営者らを中心とした団体、日本プロテニス協会(JPTA)は24日、都内で13年度の各表彰を行い、最優秀選手賞に男子は錦織圭(24=日清食品)、女子は奈良くるみ(22=安藤証券)を選び表彰した。錦織は14年度の活躍も「スペシャルアワード」として表彰された。

 表彰式に出席した錦織は「飛躍した年。自分自身を誇りに思う」と喜んだ。また、小学生時代、地元の松江でテニスを習ったグリーンテニスクラブの柏井正樹コーチが登壇。花束を渡す演出に「びっくりしました」。12年2月以来の対面となったが、柏井コーチは「いい男になった」と感慨深げだった。

 錦織の活躍は、JPTAに加盟するスクールやコーチにも大きな影響を与えている。関係者によると、「子供のスクールは、ほとんどが満員。キャンセル待ち状態」だという。また、以前、テニスをプレーしていた中高年の復活組が多く、昨年度に比べると、平均2割ほど、スクールの生徒は増えているという。

 柏井コーチのスクールでも、「錦織みたいになりたい」という子が増えており、同コーチは「みんな刺激になっている」。ラケットやウエアなどの用具の売り上げも軒並み伸びているといい、錦織景気が日本のテニス界全体を救っている。【吉松忠弘】