日本相撲協会の友綱監察委員長(元関脇魁輝)は29日、大相撲夏場所千秋楽(24日)の大関千代大海-関脇把瑠都の一番が敢闘精神に欠けた無気力相撲だったとして、師匠を通じて両力士に注意したことを明らかにした。

 友綱委員長によると、審判部からの進言を受けて、千秋楽の打ち出し後に千代大海の師匠、九重親方(元横綱千代の富士)と把瑠都の師匠、尾上親方(元小結浜ノ嶋)を呼んで口頭で注意した。

 当該の一番は7勝7敗だったかど番の千代大海が、ひざなどに故障を抱える把瑠都を一方的に押し倒し、かど番を脱した。友綱委員長は「どこが悪くても、土俵の上では精いっぱい取ってもらわないと困る」と話した。

 相撲協会広報部によると、大関が無気力相撲で注意を受けたのは1972年春場所12日目の琴桜-前の山の大関対決以来。92年春場所6日目にはハワイ出身同士の一番で、大関小錦に敗れた前頭筆頭の武蔵丸が注意された。