大相撲の野球賭博事件に絡み、警視庁が家宅捜索で押収した現役十両力士数人の携帯電話に、数十万円で勝ち星の売買が日常的に行われていたことをうかがわせるメールの記録が残っていたことが2日、捜査関係者への取材で分かった。
「今日はまっすぐぶつかっていく」などと、取組内容を打ち合わせたような記録もあり、警視庁は八百長をしていた可能性があるとみて、警察庁を通じ日本相撲協会を所管する文部科学省に数十件分の記録の内容を伝えた。高木義明文科相は相撲協会に事実関係の調査を指示した。
相撲協会の放駒理事長は「情報収集をして対策を考える。まだ状況を把握できていない」と事態の究明に努める姿勢を示した。協会は2日午後、緊急の理事会を開催。
捜査関係者によると、これらの取組を対象にした賭博や暴力団の関与は確認されておらず、八百長行為自体を取り締まる法律がないため、刑事事件としての立件は見送られる公算が大きいという。
大相撲の八百長をめぐっては、関係者の証言や週刊誌報道などで、たびたび存在が指摘されてきた。相撲協会側は裁判などで一貫して否定してきたが、今回の事態を受け、厳しい対応を迫られそうだ。
捜査関係者らによると、メールは数人の十両力士の間で繰り返しやりとりされていたとみられる。銀行の口座番号や「20、30、50、75」などと金額を示したらしい記録のほか、「ここで負けたら帳消しになる」と、星の貸し借りをうかがわせる記述があった。金額の単位はなかった。
警視庁は昨年7月、プロ野球の公式戦を対象とした賭博開帳図利容疑で、相撲部屋や関係先を一斉捜索。押収した携帯電話から削除されたメールを復元するなどして裏付けを進め、今年1月に同容疑などで、阿武松(おうのまつ)部屋の元幕下山本俊作容疑者(35)ら胴元側4人を逮捕した。力士や親方ら計39人が、野球賭博をしたことを認める上申書を同庁に提出している。

