プロボクシングWBC世界バンタム級王者の井上拓真(30=大橋)が、兄尚弥に続く同級王座統一戦を目指す。元世界4階級制覇王者の同級4位・井岡一翔(37=志成)に大差判定勝ちした東京ドームでの初防衛戦から一夜明けた3日、横浜市内で会見に臨んだ。次戦は挑戦権を持つ同級1位・那須川天心(27=帝拳)との9月の再戦が濃厚だが、V2成功後はライバル王者との統一戦を希望した。

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格闘技無敗の那須川と4階級制覇王者の井岡。2人のビッグネームを連破した井上拓が世界バンタム級戦線の主役になった。一夜明け会見で次に戦いたい相手を問われると「いないですけど、ベルトを持っているのであれば誰でもいい」と即答。兄に続く同級王座統一を視野に入れた。

次戦は4月に挑戦者決定戦でエストラダ(メキシコ)を撃破して挑戦権を手にした那須川との再戦が9月に計画されているが、V2に成功すれば王座統一を標的にする。24年10月に判定負けしてWBA王座を奪われた堤聖也との再戦をはじめ、注目の王者対決を一気に具体化させる。

世界初戴冠(たいかん)から15年も世界トップ戦線で戦い続けるレジェンドから2度のダウンを奪う圧勝で、さらに自信を深めた。進化を実感したのが左ジャブ。「井岡はすごくジャブがいい。そのジャブで勝てた」と父の真吾トレーナー。井上拓も「ジャブで勝つ。それを遂行できて、いい流れになった」。“世界を制す”といわれる左拳が王座統一への新たな武器になった。

兄尚弥が判定勝ちを収めた中谷潤人との防衛戦にも刺激を受けた。「大きな相手でも(懐に)入れさせない、プレス(圧力)というか空気感。それを間近でみてすごいと思った」。目指すはその偉大な兄と同じ高み。「井上尚弥の弟じゃなく、井上拓真をしっかりアピールしたい」。リング上からの前夜の宣言は、兄に続く王座統一への決意表明でもあった。【首藤正徳】