<大相撲夏場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館

 20日発売の一部週刊誌で野球賭博疑惑を報じられた大関琴光喜(34=佐渡ケ嶽)は、元気なく平幕北太樹(27=北の湖)に押し出された。

 琴光喜は、動きに精彩を欠いた。北太樹に立ち合いで体を起こされ、はたき込んだところをつけ込まれた。胸に頭をつけられ、押し出された。この日発売の週刊新潮で、野球賭博に関与し、暴力団から口止め料を要求されていると報じられたばかり。「土俵に集中するだけ」と話し、相撲への影響を問われると「それは関係ない」と答えたが、沈んだ表情だった。

 週刊誌報道を受け、日本相撲協会の陸奥生活指導部長(元大関霧島)は、前日に続いて関係者から事情を聴いた。琴光喜の師匠・佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)、弟子が関与したとされる阿武松親方(元関脇益荒雄)と相次いで会談し、一切関与していないとの報告を受けた。

 陸奥部長は、夏場所後の琴光喜への聴取や、法的手段に訴える可能性があることを示し、27日の理事会で経過を報告すると明言。同じ日に、部屋持ち親方が集まる師匠会で、警視庁による暴力団との関係遮断を指導する講演会を開く予定だったが、延期することを決めた。同部長は「ああいうのが出て、すぐにはね」と話し、今回の騒動の調査を優先させる方針だ。

 報告を受けた武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は、騒動が琴光喜の敗戦に影響したかどうかを問われると「分からん。終わり」と話を打ち切った。

 13日目の結びは、白鵬対琴光喜。意に反して騒がれることになった34歳の大関は「まだ明日のことは考えていない。もちろん、やるからには勝つつもりでやりたい」と、勝ち越しがかかる一戦に集中する姿勢を貫いた。