元大嶽親方(元関脇貴闘力)の鎌苅忠茂氏(43)が19日、東日本大震災の被災者を支援するため、東京を出発した。まずは2、3日かけて、東北数カ所で炊き出しを行い、1度帰京。その後、豚肉と鶏肉を1トンずつトラックに積み込み、2週間から1カ月かけて東北を巡回する計画を立てている。

 鎌苅氏

 石巻や気仙沼には、ぜひ行きたい。まずは道しるべを作って、困っているところに行く。能書きをたれているより、体を動かさないと。

 鎌苅氏は親方時代、野球賭博に関与し、昨年7月に日本相撲協会を解雇された。その3カ月後、東京・江東区に焼き肉店を開店。今回は仕入れに苦労しつつ、2トン分の肉を確保した。本格的に出発する時は、後援してくれる知り合いら5、6人で、10トントラック3台で出発する。野菜は現地のものを利用し、調理ができる場所で炊き出しを行う。

 鎌苅氏

 お金がないのに、店を空けるのは、アホかもしれない。でも、オレは神戸出身。震災の時には、みんなに母親を助けてもらったから。

 水を浄化する機械を持参し、ティッシュ、紙おむつも持っていく予定という。すでに物資運搬に必要な通行証「緊急通行車両確認標章」も取得した。立派なボランティア活動だが「売名行為だと思われたくない。だから、できれば報道もしてほしくない」と話し、写真撮影も遠慮。善意だけを胸に、旅立った。