12球団で得点が最少だった巨人が、5点のビハインドをひっくり返して逆転勝ちした。得点は3回に新外国人のヘルナンデスの来日初アーチと、不振だった4番・岡本和の逆転2ランなどで一挙6得点。「打てない」と言われた打線が奮起した。しかし、これから勝ち星を積み上げていくなら、やはり投手力を中心にした「守備力」の強化を考えるべきだろう。そういう視点から見ると、勝ったとはいえ「守り」には隙が多かった。
2回表2死一、二塁、甲斐の打球はやや詰まった当たりで三遊間を破った。走者がスタートを切りやすい2アウトであり、打球も遅かったため、タイムリーになるのは仕方ない。しかし、一塁走者の三森が三塁まで進塁。これは防げるプレーだった。
三遊間のゴロで打球を追った三塁手の坂本は、そのままの流れでカットの位置に入った。しかし打球を追った泉口は、打球が抜けたあとにサードのベースカバーに入らなかった。それを見た一塁走者の三森は、三塁を陥れた。泉口が打球を見ることもなくサードベースに入らなかったため、打球を処理した左翼の丸も送球できなかった。
気の抜けたような守備は、3回表にもあった。1死から栗原の打球がセンターの右に飛ぶと、中堅の立岡はなぜかゆっくりと打球を処理。それを見た栗原は一瞬、二塁に向かって走りかけていた。もし足の速い選手だったら、二塁に進塁されていただろう。
その後も1死一、二塁から甲斐がセンター前ヒットで、今度は一塁手の岡本和がバックホームへのカットの位置に入るのが遅れた。この場面、本塁進塁をアシストする意味もあり、一塁走者はアウトになる可能性があっても三塁を狙ってくる。岡本和がカットに遅れたから立岡の送球が高くなった可能性はあるが、しっかりカットに入り、送球が低ければ三森はストップした可能性もあるし、カットプレーで三塁はアウトにできた。
高いレベルの話になるが、立岡の走塁ももうひとつ上のレベルを目指してほしい。3回裏無死一、二塁、代打・喜多の打球がセンターに抜けそうになったが、ショートの今宮が横っ跳びで好捕。そのまま二塁へバックトスし、リクエストの結果、一塁走者の立岡はアウトになった。もったいなかったのは、二塁へスライディングする際、歩数が合わずにスピードが落ちてしまったこと。
歩数が合わないとき、大股で1歩でいくか、小股にして2歩でいくか、迷うときがある。その場合、ベースを駆け抜けるときは2歩にした方が速いが、スライディングする時は1歩で滑り込む方が速い。立岡はスピードを武器にするベテラン選手。高いレベルの走塁を期待したかった。
見事な逆転勝ちだが、得点を奪ったのは1イニングだけ。今後も守り勝つ野球が勝利への近道だと思う。細かい守備のミスを指摘させてもらったが、明日からでもすぐに修正できるプレー。ぜひ、実践していってもらいたい。(日刊スポーツ評論家)




