阪神が今季初のサヨナラ勝ちを決め、首位を守った。
0-0の11回、単打と二塁打、申告敬遠で無死満塁を作り、最後は3番森下翔太外野手(24)が押し出し四球を選んだ。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(41)は11回、先頭で中前打を放った糸原健斗内野手(32)を高評価。技術の高さに脱帽した。【聞き手=佐井陽介】
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延長11回表まで0-0が続いた投手戦。最後は無死満塁から押し出しというあっけない終わり方でしたが、個人的にはサヨナラムードを一気に高めた阪神糸原選手の技術の高さに注目したくなりました。
11回裏の先頭で代打登場。DeNAのマウンドには山崎投手が上がっていました。1ボール1ストライクからの3球目、外角高めに浮いた落ち球を中前へ。一見、失投を難なく打ち返したようにも映りますが、この1球は実はミスショットが起こりがちなコースと高さでもありました。
ただでさえ、なんとしても出塁したい状況。「打ちたい打ちたい」となる中、打ちやすい高さとコースへの抜け球です。ここで多くの打者はどうしても力みが入ってしまいがちです。「来た!」と力が入ってポップフライになるケースも少なくないのですが、糸原選手は冷静にお手本通りのセンター返し。なかなか簡単なバッティングではなかったように思います。
無死一塁となり、1番近本選手も2ボールから同じような外角高めの抜けた落ち球を丁寧に右中間へ。まるで糸原選手のバッティングをお手本にしたようなスイングでした。糸原選手は出塁すること。近本選手はつなぐこと。2人とも後ろの打者への信頼がにじみ出るアプローチで、阪神打線はやはり点ではなく線になれているなと感じました。
打線は10回まで無得点に抑えられましたが、この日はDeNAバウアー投手が良すぎました。全球種しっかり腕を振ってくるし、勝負どころでは「ケガをしないコースと高さ」に投げてくる。走塁ミスに反省は必要ですが、打ちあぐねた10イニングを引きずる必要はありません。
投手陣はさすがの無失点リレー。中でも7回無死二、三塁から佐野選手、オースティン選手を2者連続空振り三振に仕留めた及川投手は今年、完全にひと皮むけたと表現できるでしょう。(日刊スポーツ評論家)




