阪神が逆転負けを喫したのは、勝ちパターンに入っていただけにもったいなかった。先発才木から及川、桐敷、岩崎とつなぐ腹づもりだったのだろうが、8回につまずいた。

その8回に桐敷が西武打線にひっくり返された5長短打の球種は、すべて変化球だった。キレを欠いていたのか、少しずつ甘く入った。ただ、桐敷は責められない。

この一戦では湯浅がベンチから外れていた。もし湯浅がいれば、8回の最初から、もしくは桐敷が集中打を浴びた合間に投入できた可能性はゼロではなかっただろう。

連勝が止まった阪神だが、西武先発の隅田攻略に「足」でプレッシャーをかけたのは効果的だった。特に1回に近本が三盗を成功させたシーンは研究の成果が見てとれた。

それは近本が、隅田がモーションに入る前にスタートを切っていたからだ。セットポジションに入った隅田は、まず手から動いて、その後から右足が上がってくるタイプで、近本は完全に盗んでいた。

また1つの目安で、投手がモーションに入ってから捕手のミットに球が届くまで「1・35秒」を超える場合、足の速い選手はセーフになる確率が高い。隅田はそこに該当したのかもしれない。

阪神は近本が4回にも二盗を決め、熊谷、佐藤輝も含めて計4盗塁。2回には一塁走者・小幡も梅野の中前打でスタートを切っていた。敗れはしたが、チームが隅田対策に方向性を示したのは十分に伝わってきた。(日刊スポーツ評論家)

西武対阪神 8回裏、逆転を許しベンチで厳しい表情の阪神桐敷(撮影・宮地輝)
西武対阪神 8回裏、逆転を許しベンチで厳しい表情の阪神桐敷(撮影・宮地輝)
西武対阪神 4回表阪神2死一塁、二塁盗塁を決める近本(右)(撮影・江口和貴)
西武対阪神 4回表阪神2死一塁、二塁盗塁を決める近本(右)(撮影・江口和貴)