中日は順位こそ5位だが、試合前時点で借金はわずか1だった。1点差の惜敗で勝率5割復帰はならなかったが、よく粘っていると言っていい。さらに上に行くためには、という視点で指摘させてもらう。

まず攻撃面は、初回が明暗を分けた。中日は先頭岡林が二塁打、田中が送って1死三塁。ここで上林は二直、ボスラーは三ゴロで先制できなかった。悔やまれるのは上林だ。打球自体は捉えた当たり。ただ、それを「悪くないバッティングだった」で済ますのか、「点を入れられなかった」とするのかで変わってくる。

この場面、まずはヒット狙いでいいし、外野に飛ばそうという考えで問題ない。だが、内野は前進しておらず、ゴロでも1点入っていた可能性が高い。上林は1ストライクから高め真っすぐを振った。選択は間違っていない。それでも、点が入らなかった。どういう意識で振ったかは本人に聞かないと分からないが、見た限りでは、何としても1点を取るという意識は感じられなかった。もし、状況を分かった上で、1点を取る打撃をやろうとしたのであれば、結果が伴わなかった以上、機能しなかったと言うしかない。ならば、もっと意識する必要がある。

中日にもっと得点力があれば、ことさら上林の打撃を指摘することもないだろう。現状は、いかに1点を重ねていくかというチーム。こういうところから突き詰めないといけない。西武も似たようなチーム状況だが、初回1死二、三塁からネビンの遊ゴロで先制しており、対照的だった。

先発した高橋宏にも触れたい。8回完投し、10安打を打たれながら2点に抑えた。数字だけみれば、よくやったと言える。しかし、どうしても昨季の数字(12勝、防御率1・38)と比べないわけにはいかない。気になるのは、今季は三振が減っていることだ。この日も1つのみ。空振りを奪えなくなっている。

原因として、下半身に粘りを感じない。踏み出す左足が着地して、すぐに投げている。球離れが早くなっているから制球が安定せず、バットにも当てられる。それでも空振りを取ろうとすれば、今度は上半身に力が入り過ぎる。また、昨季は困ったら真っすぐで押し込みファウルを奪えていたが、今季は変化球に頼らざるを得なくなっている。

メカニックの問題だと思う。開幕当初よりは改善されているが、さらに状態を上げて欲しい。チーム浮上のカギを握る投手だからだ。(日刊スポーツ評論家)

西武対中日 1回表中日無死、二塁打を放つ岡林(撮影・垰建太)
西武対中日 1回表中日無死、二塁打を放つ岡林(撮影・垰建太)
西武対中日 1回裏西武1死二、三塁、先制につながる遊ゴロを放ちナインの出迎えを受けるネビン(撮影・垰建太)
西武対中日 1回裏西武1死二、三塁、先制につながる遊ゴロを放ちナインの出迎えを受けるネビン(撮影・垰建太)