<ヤクルト7-13広島>◇1日◇神宮

 リーグ最多114本塁打。広島打線の強みはやはり伝統の練習量にある。本拠地では午後6時開始のナイター試合では正午までにほぼ全選手が球場入り。各自でストレッチやウエートトレーニング、打撃練習などを行う。最近の猛暑で屋外の早出練習は行っていないが、選手は各自で球場内ブルペンでマシン打撃を行うなど、自主的に振り込んでいる。

 遠征先では昼時に若手中心が集まり素振りを行う。そこには丸や田中だけでなく、バティスタやメヒアの姿もある。29歳の丸は「まだ特別扱いされる年齢じゃないですからね」とサラリという。タナキクマル世代もまだ20代。主力が率先して練習を行う姿も、チームに好影響を与えているといえる。

 首脳陣も、やみくもに長時間やらせるだけではない。25年ぶり優勝の一昨年から試合のない日などは積極的に休養を設けている。それまでは無休も珍しくなかったが、東出コーチは「日ごろしっかりやらせているからメリハリをつけないと」と選手の気持ちを理解する。加えてレベルの高い選手たちによるチーム内競争もまた、強力打線をつくり上げている。【広島担当=前原淳】