令和の怪物の完全試合に、楽天田中将大投手(33)も固唾(かたず)をのんで見入っていた。「決まる瞬間はイーグルスのゲームを見ながら、また別の端末で見てました」。登板のなかった10日、楽天の試合とロッテ佐々木朗希投手のパーフェクト投球を、2画面にして歴史的瞬間を見届けたという。翌日の投手練習後の取材で「そんなピッチング、たぶん僕はできない」と、13歳年下の怪物右腕をたたえた。

日米通算183勝で22完封を誇るが、意外にも完全試合やノーヒットノーランとは無縁だった。自身も「もちろん経験してみたいし、やってみたいと思いますけど、なかなか自分がどういうピッチャーかも分かってますし、そういうピッチングは難しい。そういう相手を圧倒するボールがあるわけではないので」と分析した。

もともと試合の中でギアを上げて、0点に抑えていく投球スタイル。高卒1年目から11勝で2桁勝利を挙げ、3年目には15勝、5年目に19勝、そして7年目の12年は無傷の24連勝と、スターへ駆け上がっていった。その一流が一流を語るから、完全試合の偉業がなおさら際立つし、田中将のすごみをより一層実感する。

日本復帰2年目の今季は開幕2連勝で好スタート。熟練の域に差しかかったような投球術は、深みを増しているようにも感じる。相対するような2人の投げ合いは、今パ・リーグの見どころだ。初対戦の昨季は両者星がつかないままだった。今季開幕序盤の4月の時点で田中将は火曜日、佐々木朗は日曜日ローテ。ただ、どちらも本拠地はドーム球場ではない屋外球場。雨天の兼ね合いで変わってきたら、投げ合いの巡り合わせも回ってくるかもしれない。【遊軍 栗田成芳】