この1月から、6年ぶりに取材現場に復帰し、7年ぶりにオリックス担当を拝命しました。49歳になりましたが、新人のような気持ちで情報をお届けしたいと思います。そんなわけで、オリックスの新人の話題をひとつ。地元大阪出身のドラフト2位右腕、河内康介投手(18=聖カタリナ学園)です。

3年夏の愛媛県大会はベスト4で敗退。ただ最速150キロをマークし、プロから注目を浴びた。ただし、春の大会では141キロどまりだったという。春から夏にかけた短い期間で、いったい何があったのか?

「大会に自分のせいで負けて、スイッチが入りました。ジムに通って、トレーナーさんがつきっきりでやってくれた。体重はあまり変わってないが、筋肉量が増えて、それで9キロ上がりました」

悔しさが原動力だった。春は優勝候補ながら地区大会であっけなく敗退した。松山学院戦の9回2死まで1点リード。河内は投手ではなく左翼を守っていた。その場面で、相手打者の三塁へのゴロがイレギュラーし、不運な形で同点に。そして延長タイブレークへ。まず聖カタリナ学園は2点を奪う。そして満を持してエース河内が登板。だが…。

「僕が3点取られて、負けました。最後はデッドボールを当ててしまいました」

2者連続死球のサヨナラ押し出し負け。ショッキングな出来事だった。何が起こったのか、自分でも分からなかったという。

「人生で一番悔しいと思いました。このままじゃ、あかんわと…」

これまでも練習は熱心に積んできたが、さらに打ち込むようになった。特に、体づくり。ほとんどやっていなかった筋トレに取り組んだ。

「ジムのトレーナーさんから、スクワットの姿勢とかも教えてもらった。それがフォームにつながった。球速が上がった要因の1つと思います」

誰しもが人生の転機を迎える。河内の場合は、昨年春に負けて己を知った。それが始まりだった。勝つだけでなく、敗北も貴重な経験。それを生かしたことで、プロ入りという大きな目標に近づけた。河内の好きな言葉は「自覚と責任」だ。

将来はオリックスのエースとして、沢村賞を取りたいと野望を掲げる。尊敬する山本由伸のように、まずはキャンプ、そして2軍戦で、自分の実力を証明していく。【オリックス担当=大池和幸】