<日本シリーズ:阪神2-3ソフトバンク>◇第4戦◇29日◇甲子園
ソフトバンク小久保裕紀監督(54)が聖地・甲子園で宙に舞うのだろうか。日本シリーズ第4戦を1点差で取った。初戦敗退から3連勝を決めて、ついにホークスが頂点へ「王手」をかけた。過去3度あった阪神とのシリーズ対決。平成になって2度の対決は03年王ダイエー、14年秋山ホークスが本拠地の福岡で勝負を決めた。甲子園で頂点に立ったのは第7戦までもつれ込んだ南海時代の64年。3連勝を決めれば61年ぶり甲子園の舞となる。
「(先発の)大津が5回までいいピッチングをしてくれたからね。本当によかったよ」。王貞治会長(85)は細身の先発右腕を称賛し、何度もうなずいた。主砲山川が2回、先頭で回ってきた第1打席で3戦連続となる3号ソロをバックスクリーンに打ち込む先制弾。シリーズ直前のチーム練習で山川の打撃練習を見守り「(体に)キレがあるよ」と、声をかけた王会長だったが、その言葉通り不調を吹き飛ばす進撃の立役者となった。「山川もいいところで打ってくれたしね」と復調した大砲の一撃を頼もしく振り返った。
シリーズ初戦を取った阪神、そして連勝したソフトバンクと3戦目までは逆転勝利だったが、第4戦はホークス自慢の「先行逃げ切り」に持ち込んだ。8回、2点を失ったとはいえ、守護神杉山が9回を3人で片付け、ボルテージの上がった虎党のため息を誘った。
「内弁慶シリーズ」と言われた03年星野阪神とのシリーズ対決。指揮を執った王会長は甲子園で3連敗。6回、好投の大津に代打近藤を送って3点目をもぎ取った小久保監督の采配に「ズバリ当たったね。近藤も大したものだよ。勝つときはこういう流れがないとね」と愛弟子の勝負の一手にもうなって見せた。
勝ってかぶとの緒を締め直すのは勝利への鉄則。何が起こるか分からない短期決戦。それでも王会長はチームをさらに鼓舞するように「明日、決めましょう」とピシャリと言った。【ソフトバンク担当=佐竹英治】




