横浜スタジアムは涼しかった。この日の関東地区は気温が下がった。横浜も最高気温27度だったらしいが、もっと涼しい感じだ。大阪の自宅に電話すると「こっちは蒸し暑いで?」。同じ日本、都市部でもこんなに違うのだから不思議だ。

涼しくなると体はラクになるがなぜか寂しくなるのは子どものころからだ。「夏の終わり」は数多い歌のテーマにもなっている。人は夏にいろいろなものを象徴させる。この日、評論を担当している権藤博はこんなことを言った。

「そうかなあ。私は昔から秋が一番好きだよ。今年も仕事が終わったと思うからね。我々の世界、野球人はみんなそうじゃないか」

ペナントレースも9月に入り、大詰めになってきた。昔なら多くのチームが消化試合になっている時期だ。クライマックスシリーズ(CS)が導入され、批判もあるが最後まで興味を持てるようになった部分はやはり意味があると思う。

阪神が18年ぶりのリーグ優勝を決めた03年。3度の食事より野球が好きだった闘将・星野仙一はよくこんな話をした。

「シーズンは130試合とか140試合とかあるんだけどな。ほとんどの場合、意味があるのは残り20試合ぐらいまでなんや。その時点で順位は決まっとるからな」

03年は140試合制。当時はCSはなかった。翌04年にパ・リーグが新たな形でプレーオフを復活させた。それがCSになり、セも採用しているのはあらためて書くまでもない。

指揮官・矢野燿大の1年目、阪神はAクラスに入れるかどうか。残り20試合を切り、瀬戸際のところまで来た。同時にやはり闘将の別の言葉を思い出す。

「終盤になったら結果オーライでええ。春先は勝ち方、戦い方がある。しっかり戦わないと勝ち試合でも俺は褒めない。だけどな。9月になったら関係ない。どんな不細工な試合でも勝てばええんやから」

DeNAに痛恨のサヨナラ負けを喫した。4点を先制したが強力打線に4発で逆転された。DeNAは今季ジャスト140発。阪神は犠打を決められず、けん制で殺され、盗塁を狙って刺された。それでも結果的に勝てばいいのだ。だからこそ勝利が必要だ。

3位広島も最下位ヤクルトにサヨナラ負け。その広島と週末に3連戦がある。もう少し夏を楽しむために。5日の試合が重要だ。(敬称略)

DeNA対阪神 6回裏DeNA無死一塁、矢野監督は筒香を迎えたところで投手交代を告げる(撮影・加藤哉)
DeNA対阪神 6回裏DeNA無死一塁、矢野監督は筒香を迎えたところで投手交代を告げる(撮影・加藤哉)