阪神の「流れ」はまだ続くかもしれない。そう感じさせる大山悠輔の一撃だった。1回に佐藤輝明の2ランなどでいきなり4点を先制する最高のスタート。だが、その後、走者は出ても得点が入らない。指揮官・岡田彰布も犠打作戦を繰り出し、なんとか追加点をと狙うが結果につながらないイニングが続いていた。

この時期になれば、内容は度外視。勝てばいい。結果オーライ。それは事実だ。しかし、やはり「流れ」を考えれば、いわゆる「スミ4」で終わるのは気持ちいいものではなかったはず。そこで出た大山の2ランは大きかったのだ。

この日、デーゲームで巨人、広島が勝利していた。3位・阪神が勝っても状況は変わらない。残り試合数の少ない阪神にすれば、ますます1試合が重要になってくる。逆に言えば、勝てば上位にプレッシャーをかけられる。だから負けられないのだ。その意味で「負けられないナイター」に勝てたのはよかった。

これで5連勝。これは中日、ヤクルトと下位球団相手に上げたもの。10日からはDeNA3連戦、広島2連戦と続いていく。4位から突き上げてくるDeNA、そしてライバル広島との戦いを前に今週の下位球団との対戦はある意味で重要だ。失礼な表現かもしれないが“取りこぼし”は許されないのである。

そうは言ってもプロ同士だ。ほんの少しのことで結果がどうなるかは本当に分からない。そんな中、キッチリ勝ててきたのは大きいし、だからこそ「流れ」が来ているのだろう。

これで貯金は「8」になった。これは8月5日以来で今季最多タイだ。交流戦前に「貯金6」。交流戦を終えたとき貯金は「2」に。そして前半戦終了時、それは「1」にまで目減りしていた。それが後半戦の復調で「8」にまで戻してきたのだ。ここは6連勝と言うより、今季最多の貯金「9」を持って10日からの甲子園7連戦に挑む気持ちでいってほしい。

それにしても重くなりがちなムードを救ったのは才木浩人の粘投だったし、ブルペン陣の踏ん張りだった。「また明日(8日)で甲子園に帰るし。明日な。ええ形で勝てればいい」。次戦の勝ち負けについて、あまり直接は口にしない岡田もめずらしく、そんな言い方をした。そう言えるだけのムードがあるということだろう。これを続けられるか。まずは8日だ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツコム/野球コラム(虎だ虎だ虎になれ!)