“我孫子東のジャイアン”が剛腕で千葉を制す。全国高校野球千葉大会(7月10日開幕)の組み合わせ抽選会が19日、千葉市内で行われた。我孫子東のエース宮城正規投手(3年)はプロのスカウトも注目する大型右腕。181センチ、100キロの巨体から繰り出す最速144キロの直球を武器に初優勝を狙う。7月14日の初戦で犢橋-柏の葉の勝者と戦う。

 千葉に「ジャイアン」が現れた。日焼けした顔につぶらな瞳。181センチ、100キロの宮城は「中学時代にジャイアンと呼ばれたこともあります」と恥ずかしそうに明かした。

 アニメ「ドラえもん」の剛田武の愛称であるジャイアンは音痴で有名だが、宮城は十八番の三代目 J Soul Brothers「C.O.S.M.O.S.~秋桜~」をカラオケで歌い、92点を出す腕前を持つ。今年10月に行われる文化祭でも「5代目ベースボールブラザーズ」のボーカルとして観衆を魅了する予定だ。

 本業の投手でも注目されている。最速144キロの直球が武器。昨夏の県大会2回戦で習志野相手に6回途中1失点と好投。試合は後を継いだ投手陣が崩れ、3-10で敗れた。だが、これまでプロ5球団のスカウトが視察に訪れている。

 一流の理論も取り入れる。中学3年から、鳥取のトレーニング施設「ワールドウィング」に通い、中日吉見も行っていた初動負荷トレーニングを実践。肩の可動域が広がり、今年に入って球のキレが格段に良くなった。大井弘監督(59)は「力みがなくなり、投げるマシンから投手らしくなってきた」と成長を認めている。

 11年に湖北と布佐が統合して同校が誕生後、夏の最高成績は3回戦止まり。今年は勝ち進めば5回戦で春王者の専大松戸と当たる。「支えてくれた人全員に、甲子園に出て恩返しをしたい」と意気込んだ。【桑原幹久】

 ◆宮城正規(みやぎ・まさき)1997年(平9)9月20日、東京・足立区生まれ。友人の誘いで小学2年から「竹の塚ファイアーズ」で野球を始める。竹の塚中では「さいたまフェニックスボーイズ」に所属。我孫子東では1年夏からベンチ入り。球種はカットボール、フォーク、カーブ、シュート。家族は両親、姉2人。生まれた時の体重は3500グラム。181センチ、100キロ。右投げ右打ち。