仙台育英(宮城)は4日、同校グラウンドで盛岡四(岩手)と夏の大会前最後の練習試合を行った。春季東北大会で右足小指を骨折したプロ注目バッター平沢大河内野手(3年)が1カ月ぶりに実戦復帰。いきなり高校通算19号のソロアーチをかけ、復活をアピールした。2試合行い、両チーム主力同士の第1試合は仙台育英が12-0で勝利した。

 今夏高校生NO・1遊撃手の平沢が復活した。6月5日の東北大会盛岡大付戦以来、1カ月ぶりとなる第1打席はフェンスぎりぎり手前の右飛。3回裏2死走者なしで迎えた第2打席、再びライト方向へフルスイングした打球は右翼フェンスを悠々と越えていった。

 ケガの功名だ。「捉えたのは(バットの)芯じゃなかったんですが。ケガした間に太った分、飛距離が大きくなりました」。この1カ月間で体重は3キロ増加。走れない分、ロープ登りや自転車型トレーニング器具で鍛えた体の力も、バットにうまく乗った。もともとの卓越したスイングにパワーが加わった、進化の1本だった。

 守備でも、変わらぬ軽い身のこなしで遊ゴロを4度さばいた。守備と走る際に、まだ右足小指が若干痛むが「大丈夫です。安心しました」と、夏への手応えをつかんだ。

 2年生で遊撃レギュラーだった昨夏も第1シードだったが、4回戦で東北学院に延長13回の末敗退。夏の厳しさは十分知っている。「本番がすべて。今日のことは忘れて、初戦(11日)に合わせていけるように」と、最後の夏へ気を引き締めた。【高場泉穂】