今春県大会準優勝の沼南(千葉)が、市原中央に7回コールド勝ち。初回に6点、3回にも4点。計10安打と「イケイケ打線」がつながった。2打点の4番高山柾外野手(3年)は「甲子園に出て『しょうなん』と言えば『千葉の沼南』だと言われたい」と全国進出を宣言した。

 エースの黒井翔投手(3年)が今春関東大会の開会式前、他県の選手から声をかけられた。「しょうなんって海が近くていいですよね、って。よく神奈川の湘南と間違えられます。学校の周り、森しかないんですけどね」と苦笑いだが、知名度の低さをモチベーションに変えた。

 大会2日前、野球部の父母会からレゲエグループの「湘南乃風」ならぬ「沼南乃風」と書かれた千羽鶴をもらった。橋本秀哉監督(42)は「うちの選手は打つことが大好き。ノックはしない」と練習の約9割を割くという打撃練習中、集中力向上のため「湘南乃風」の「睡蓮花」など、アップテンポな曲を流す。オフには部員同士でカラオケに行き「湘南乃風」の曲を熱唱。その効果か、打線が爆発した。

 夏は08年、西千葉大会準優勝が過去最高成績。橋本監督は「選手がのびのびやれば、自然と結果もついてくるでしょう」と初出場へ意気込んだ。【桑原幹久】