黒石商が青森山田にサヨナラ勝ちした。今春の春季東北大会王者を破り、35年ぶりの8強進出を果たした。

 黒石商ナインが歓声を上げた。2-2で迎えた9回裏2死一、三塁。エース村上竜斗(3年)のサードへの打球が内野安打となり、佐藤朋輝(3年)がホームに躍り込んだ。公立の黒石商が私立の優勝候補青森山田に劇的なサヨナラ勝ち。青森大会に大波乱を巻き起こした。

 打線は青森山田のエース小野雅登(3年)の前に計4安打。スライダーにてこずった。「前半は打てなくても球の軌道を体に印象づけさせた。後半攻略してくれると思った」と村上博樹監督(40)。その通りに5回、村上のタイムリーと中村環太(3年)の本塁打で2点を挙げた。

 村上は投げては8安打2失点完投。「守りは計算できる。問題は打撃だった」と村上監督。春以降は練習時間のほとんどを打撃練習に割いてきた。春季県大会初戦では八戸学院光星に0-3の善戦。村上監督は「あれで私立強豪とも十分戦えると自信をつけた」という。横綱に実力勝ち。今や完全に台風の目だ。

 ◆青森県立黒石商業高校 1974年(昭49)4月創立。商業科、情報処理科、情報デザイン科があり生徒数は457人(女子242人)。ソフトテニス部、ソフトボール部、陸上部も盛ん。硬式野球部は学校創立と同時に創部。80年夏の青森大会で準々決勝進出、弘前工(優勝校)に敗れた。部員数は28人。所在地は黒石市あけぼの町97の2。永川信子校長。