三沢商が春季県大会優勝の第1シード弘前学院聖愛を破り、15年ぶりのベスト4進出を遂げた。

 最後の打者を中飛に打ち取り、先発左腕・冨田尭(とおい=3年)が高々と両手を挙げた。7安打2失点の公式戦初完投で、優勝候補の聖愛に快勝。駆け寄るナインの笑顔が広がった。私立強豪が優勢かとみられた青森大会。16日、黒石商が春季東北大会優勝の青森山田を破り、今度は三沢商が聖愛に勝利。青森の戦国時代到来を告げた。

 2回、打者10人で一挙5点。同点後、なおも2死満塁で1番佐藤拓海(2年)が走者一掃の中越え二塁打を放った。「球の感触がなかったので芯に当たったな、行ったなと思った」と佐藤は声を弾ませた。打線は結局10安打で6点。聖愛の3投手を攻略した。

 冨田尭は15日の大湊戦で先発、3回まで3失点で降板させられた。浪岡健吾監督(46)が「このままで終わっていいのか」と聞き、「いいえ」と答えていた。この日の朝、浪岡監督は「顔つきを見て、先発を決めた」。期待に応える好投。「インコースを突き、低めに丁寧に投げることを心掛けた」と冨田尭は振り返った。

 OBで4月就任の浪岡監督は消防士。「私立強豪の壁を『乗り越える』のでなく『たたき割れ!』とナインに言った。その通りやってくれた」と笑顔。86年夏の甲子園に5番中堅手で出場した。前年は決勝で八戸に敗れた。86年は決勝で青森山田に勝利。その時も前評判の高い強豪を連破、快進撃で勝ち上がった。

 「あの時のムードに似ている。1戦ごとにナインは成長している」と浪岡監督は目を細めた。たくましい体つき、頼もしい先輩監督の下、三沢商ナインが準決勝の壁も突き破る勢いだ。【北村宏平】