5年ぶり18度目の甲子園を目指す鹿児島実が神村学園を下し、2年ぶりの決勝進出を果たした。昨夏の準々決勝で7回コールド負けを喫した相手に辛勝。背番号10の有村健太投手(3年)がピンチで火消しに成功し、昨夏、2番手として4失点した相手にリベンジを果たした。

 1点差に迫られた8回1死一塁の場面で登板。4番は四球で歩かせたが、後続を中飛、三ゴロでしとめ、反撃を食い止めた。「去年コールドでやられ、今年は絶対に勝ってやろうと思っていた」と、汗をぬぐった。

 昨秋まではエース。6月に腰の分離症を患い、今大会も橋本拓実投手(3年)にエースの座を譲った。「最初は悔しかったが、彼なら抑えてくれる」。完治はしていないが、毎試合痛み止めを飲んで出番に備えてきた。

 マウンドでは橋本に「思い切り投げてまた代わってやるから!」と声をかけた。そして橋本も再び上がった9回のマウンドで奮闘。互いを信頼し合う2人の継投で、甲子園出場に王手をかけた。【福岡吉央】