千葉黎明の転校生4番打者が大暴れした。島村篤史外野手(3年)は、4打数2安打3打点と、チーム全打点をたたき出した。1回表2死二塁、中前適時打を放ち「初めての夏というのはあまり意識していなかったが、初回に打てて、楽になった」と振り返る。7回表には1死満塁で、右中間を破る2点適時二塁打を放った。「4番としての役割を果たせてうれしい」と喜んだ。

 島村は、1年冬に山梨学院大付から転入してきた。「1年6月に肩を脱臼した。入学前にも、2度脱臼していて、寮生活よりも、実家から通える学校がいいかなと思った」と、地元の千葉黎明を選択。規定により1年間公式戦に出場できなかったが、実力は一級品だった。監督として社会人・大学共に日本一に輝き、プロスカウトの経験もある、荒井信久監督(62)は「島村のスイングスピードは150キロ。プロでもなかなかいないよ」と評価する。今春ようやく公式戦デビューすると、いきなり4番を務め、県大会準優勝に貢献した。関東大会では、中学時代マリーンズジュニアのチームメート、横浜・藤平尚真投手(3年)と対戦するも、2打数無安打。「藤平には試合後、次は打つからなとLINEした」とリベンジに燃える。

 最初で最後の夏。「夏はずっと楽しみだった」と話す。「チームに貢献できるようにチャンスで全部打って甲子園に行きたい。そして藤平を打つ」。遅れてきた主砲がチーム史上初の聖地へ導く。【湯本勝大】

 ◆島村篤史(しまむら・あつし)1998年(平10)4月2日、千葉県佐倉市生まれ。幼稚園年長時に根郷クラブで野球を始める。佐倉南部中時代は、八千代中央シニアに所属。4番ファーストとして全国優勝を果たす。千葉黎明では3年春からベンチ入り。右投げ左打ち。172センチ、80キロ。