新潟大会も熱戦が本格開幕した。新潟産大付は1回、2番戸沢琉(りゅう)主将(3年)が、今大会第1号の左翼ソロ本塁打を放って先制。終盤には大量点を奪い、豊栄を8-0の7回コールドで下し、初戦を突破した。

 自然と叫び声が出た。新潟産大付・戸沢は、本塁を踏むと同時に、気合を入れるようにほえた。そして、三塁側ベンチ前で待つチームメートに駆け寄ると、笑顔でタッチを交わした。

 今大会第1号は、自らの公式戦初本塁打。1回裏1死から豊栄・田中仁投手(3年)の1ボールからの直球を左翼席に運ぶ。「初球の変化球が外に外れたので、2球目は真っすぐが来ると思った」。夏の初戦、緊張感のある試合の立ち上がりで、主将がいきなり先制弾。これでチームはリラックスムードになった。

 「打った瞬間、入ったと思った」と言う吉野公浩監督(50)は、「(練習を)やりすぎるくらい、やる子」と、戸沢に信頼を寄せる。試合前日7日の打撃練習で、戸沢にいい当たりはなかった。「バットが出てこなかった」(戸沢)。それを本番までにきっちり修正した。前日練習後の自主トレと、試合当日の全体練習で1時間ずつ打ち込んだ。素振り、ティー打撃、最後は投手をつけてスイングを確かめた。その答えを第1打席で形にしてみせた。

 戸沢の1発を含め、打線は8安打8得点。先発の佐藤大生(たいせい)投手(3年)は7回を2安打無失点と、投打がかみ合ってのコールド発進だ。「初戦はやはりプレッシャーがあった。勝ててうれしい」と戸沢。快勝の余韻は快進撃につながる。【斎藤慎一郎】