筋金入りの野球好きだ。3歳から始め、テレビで見た阪神桟原将司や下柳剛のフォームをまね、幼稚園から帰ると毎日ボールを壁に当てて遊んだ。家族と公園に行けば、大教大時代に近畿1部リーグで首位打者にも輝いた父勝三さん相手に、何時間も野球ゲームで遊んだ。今も野球への気持ちは変わらず、「自分が好きな野球で負けたくない」とマウンドに立つ。

 同校の女子生徒は1949年(昭24)の夏の甲子園から「プラカード嬢」を務めている。野球部にとっては54年ぶりの聖地での“アベック出場”が最大の目標だ。3回戦は18日、長田と対戦する。山本は「今日は全てのボールが思ったコースに行ったわけじゃない。反省点もある」と引き締めた。近くて遠い甲子園。でも今年は、本気で狙えるだけのエースがいる。【中島万季】

 ◆山本拓実(やまもと・たくみ)2000年(平12)1月31日、兵庫・宝塚市生まれ。3歳から野球を始め、仁川小1年から仁川ユニオンズに加入。宝塚一中では兵庫タイガースに所属し、主に内野手。高校で投手に転向し、1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒5。167センチ、70キロ。