3時間超の死闘に耐え、中越が3連覇のマジックを「2」とした。春に続く五泉戦は2度のサヨナラ危機をしのぎ、延長11回に9安打の波状攻撃で大量10点を勝ち越し。13-3で3年連続の4強に進出した。今日21日は休養日で、22日に準決勝が行われる。

 「夏将軍」の底力だった。3時間13分の耐久戦に打ち勝ったのは、3年連続の甲子園に挑む中越だった。

 3-3の延長11回、記録的な攻撃がつながった。まず1死一、三塁で、2番河村壮太右翼手(3年)が一塁に勝ち越しスクイズを転がした。ここから1四球を挟んで8連打。河村は「打線がつながったので、自分も後ろにつなげる気持ちで」と、この回2度目の打席でも2死満塁から走者一掃の三塁打を放ち、スコアボードに「10」を刻んだ。攻撃前に強い西日が差し込んだ内野は、終わる頃にはすっかり影で覆われたほど、長い時間が過ぎていた。

 本田仁哉監督(40)も「特に9回は半分くらい、負けを覚悟」したほどだった。春も準々決勝で9-4で勝った五泉に、2度追い付かれた。同点の7回2死から「今日は理屈を超えても、沢中がやってくれるような気がした。9回の踏ん張りは、さすが3年生」と、3番手でエースにスイッチ。沢中は「2年生が頑張っていたので、3年生の自分も意地を見せたかった」と9回は2死満塁、10回は2死一、二塁のサヨナラ危機を気力で断った。

 夏に強い。夏の甲子園は県勢最多の10回を誇り、今年で11年連続の8強以上と、仕上げのうまさに定評がある。昨年のチームは秋春とも8強に進めなかったが、夏にV2を勝ち取った。現チームも昨秋8強、今春は準Vとステップアップしてきた。「実力、地力だけでは、夏のトーナメントでは足りないところがある。今日は大きな1勝」と本田監督。勢いと自信をつかんで、V3の頂点まで駆け上がる。【中島正好】