<全国高校野球選手権:下関国際5-4創志学園>◇15日◇2回戦

 わずか3安打で5点。下関国際(山口)が9安打を放った創志学園(岡山)に逆転勝ちした。2点差を追う9回、2四死球に2安打、犠飛も出て3点を奪った。「こんな勝ち方は今までになかったと思います」。記録員としてベンチ入りした辻原輝(3年)が驚き顔で話した。

 満塁と攻め、8番品川優人(3年)が3球目にスクイズを試みた。空振りしたが、暴投になって1点。強攻策に切り替えると、右前にポトリ落ちて2点目が入った。品川は「西君の球は9回も速かった。(スクイズは)外されて、当たりませんでした。切り替えて右方向を狙いました」。

 35回大会(1953年)の慶応は北海戦で「無安打の2点」を奪った。捕手落球で出塁した走者をスクイズでかえして1点。2点目は遊撃失策の走者が二盗、三盗を決め、捕手の悪送球を誘って生還した。相手の北海は1安打で、無安打チームに完封負けを喫した。

 記録員の辻原は「ウチの持ち味は終盤の粘りです。それが出たと思います」。うれしそうに、粘り勝ちを強調した。【米谷輝昭】