北東北大学野球リーグ史上初の10連覇を達成した富士大(岩手)に、強力な新戦力が加入することが6日、分かった。みちのくの高校野球界で存在感を示してきた聖光学院(福島)の主砲・須田優真内野手(3年)や、東北(宮城)古川原将真投手(3年)、盛岡大付(岩手)松本跳馬投手(3年)の両左腕。西武ドラフト7位佐藤龍世内野手(21)ら投打の主力4年生が抜ける穴を埋めるべく、1年時からの活躍が期待される。

聖光学院の夏12連覇を導いた須田が、富士大の11連覇に向けた主軸を狙う。今春のセンバツでは5番、今夏は4番。今夏の福島大会で福島商戦で特大左翼弾を放つなど、高校通算22本塁打の長打力が魅力だ。春夏の甲子園や明治神宮大会では上位進出はならなかっただけに、「大学で日本一になれるように頑張りたい」と決意した。

1年秋から4番に抜てきされた。度重なるケガを乗り越え、昨秋の花巻東(岩手)との東北大会決勝で本塁打を放つと、今春の東北大会決勝でも東北相手に左前決勝適時打で秋春連覇。一塁だけでなく三塁にも挑戦するなど、器用さも兼ね備えている。現在は木製バットを振り込み、準備を進めている。「チーム内の競争に勝って、支えてくれた人のためにも、4年後にはプロなどの上のレベルで通用する打者になりたい」と目標を掲げた。

古川原は1年夏の甲子園でも登板し、トヨタ自動車東日本に内定した葛岡仁投手(3年)と「左腕2本柱」として君臨してきた。2年春の東北大会では羽黒(山形)相手に15奪三振。左スリークオーターからスライダーやチェンジアップを有効利用し、奪三振率も高い。黒縁メガネも特徴で、03年夏にダルビッシュ有(32=現カブス)と甲子園準優勝した真壁賢守氏(32)にあやかり「2代目メガネッシュ」とも呼ばれてきた。

松本はソフトバンク14年ドラフト1位の松本裕樹投手(22)の弟だ。跳ね馬のエンブレムから命名され「フェラーリ」の愛称を持つ。185センチの身長も、まだ成長中。今夏の岩手大会決勝では花巻東に敗れて準優勝だった悔しさは、進学後の全国舞台で晴らす。

また今夏の甲子園2回戦で大阪桐蔭・根尾昂(中日ドラフト1位)から本塁打を放った沖学園(福岡)阿部剛大内野手(3年)、今夏の北福岡大会で全国トップ18打点を挙げた折尾愛真・長野匠馬内野手(3年)らも合格した。

◆須田優真(すだ・ゆうま)2000年(平12)4月11日、福島市生まれ。佐倉小2年時に福島リトルで野球を始め、西信中では福島シニア所属。聖光学院では1年秋からベンチ入り。高校通算22本塁打。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。家族は両親、妹、祖父母。

◆古川原将真(ふるかわはら・しょうま)2000年(平12)10月12日、秋田県生まれ。秋田リトル-盛岡北リトルシニアを経て、東北では1年夏からベンチ入り。最速139キロ。176センチ、76キロ。左投げ左打ち。愛称はメガネッシュ。

◆松本跳馬(まつもと・しゅうま)2001年(平13)2月21日、横浜市生まれ。小1で南瀬谷ライオンズで野球を始め、南瀬谷中では横浜瀬谷ボーイズ。盛岡大付では1年秋からベンチ入り。最速136キロ。185センチ、81キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄2人。