福知山成美(京都)が接戦を落とし、春3度目の出場で初めて初戦敗退となった。

チームを支えてきたバッテリーにとって、悔いの残る試合だった。同点で迎えた7回裏2死二塁。エース小橋翔大(3年)が直球をとらえられ、センターの頭上を越すタイムリー二塁打を許した。「全体的に球が高めに浮き、甘かった。緊張もあった」。カーブの制球の苦慮し、スライダーも相手打線に見極められた。心理的に余裕のない状況で、7回の失点が勝敗を分けた。身長171センチの小柄なエースは初めて立った甲子園のマウンドに反省しきりだった。

捕手で4番を打つ原陽太(3年)も試合後は厳しい表情を崩さなかった。「コースぎりぎりを攻めようと思ったが、球が浮いた。展開がめっちゃ早く感じて、焦ってしまった。僕が冷静になれたら、抑えられた」。打撃でも4打数ノーヒット。「一瞬、やったな」。あっという間の9イニングに、本領を発揮できなかった。

昨秋はバッテリーを中心とした粘り強い戦いで、近畿大会8強まで進んだ。小橋は「(甲子園は)限られた人しか投げられない。一生の思い出になる。でも正直、勝ちたかった」。春の甲子園はほろ苦い経験になった。悔しさをバネに、夏を目指す。