“元年開幕戦神話”で頂点に駆け上がる。第58回春季全道高校野球の公式練習が26日、札幌円山で行われた。27日に開幕し、決勝は6月2日に行われる。

2年ぶり2度目出場の帯広大谷は、開幕戦で札幌光星と対戦する。主将の加藤晃輝主将(3年)は「難敵だが、守りから入る自分たちの野球をしたい」と意気込んだ。

平成元年(89年)春季全道大会は、開幕戦勝利の稚内大谷が勢いに乗り初優勝。帯広大谷にとっても開幕戦は験が良く、13年夏の北北海道大会は、開幕戦を制し勢いに乗って初優勝し、初の甲子園出場を決めた。「6年前のように、いい開幕戦にできたら」。初戦で波に乗り、令和元年最初の全道タイトルをつかみにいく。

地区は180センチの長身から投げおろす左腕木島広輔、164センチと小柄な左腕兼山湧伍(ともに2年)ら複数タイプの4投手が登板し計33回自責3、防御率0・818。地区予選は腰痛のため登板回避した加藤も、全道から復帰予定だ。安定した投手陣に、昨秋全道を経験した164センチの右横手投げの加藤も加わる。「木島は左で上から。僕は右で横から。みんなで打者の目線をうまくずらせられたら」と加藤。左右高低差を生かし、幻惑する。

開会式で選手宣誓も務める加藤は「(宣誓文は)今日の移動のバスで頭にたたき込んだ」と難題もクリア。万全の準備で、平成元年王者・稚内大谷以来30年ぶりとなる北北海道勢のタイトル奪取につなげる。【永野高輔】