九州学院が1番主将の1発などで、秀岳館に逆転勝利して決勝進出。4年ぶりの甲子園に王手をかけた。0-1で迎えた3回。先頭打者で打席に入った、プロ注目の川野涼多内野手(3年)が、右翼越えへ同点のアーチ。「打ったのは内角低めのチェンジアップ。思い切って振り抜けました」。主将の一振りで勢いついたチームはその後、逆転に成功した。

「これまでまったく打てなくて、チームに迷惑をかけてばかりだった。これまでは逆方向ばかり、きれいなヒットを狙っていたが、もう開き直って、泥臭くても積極的に思い切って振ろうと思っていた」。

初回先頭打者でいきなり右翼越えの大飛球。三塁を狙ったがアウトになった。「足を生かせなかった。でも気持ちを切り替えて、チームに勢いをつけたかった」と2打席目ですぐに取り返した。

前日、大先輩からメールが届いた。ヤクルトで活躍する九州学院OB村上宗隆からだった。「練習してきたんだから思い切ってやれって励まされました。多分、自分が打てなかったことを心配してくれたんだと思います」。今やリーグを代表するスラッガーが3年の時、1年で遊撃手のレギュラーだった川野にとっては大きな励みになった。高校通算21本目、スイッチヒッター川野として左で6本目のアーチで応えた。

その「村上先輩」とともに進んだ時以来の決勝に進出出。「ボクはまだ甲子園を知らないので絶対に勝っていきたい」。何が何でも大舞台への切符を手にしてみせる。【浦田由紀夫】