運命の時は仲間とともに迎える。大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)が26日、同校で行われた準優勝報告会に出席した。

シャンと背筋を伸ばし、真っすぐに全校生徒の顔を見据えた。ナインとともに登壇すると応援に感謝する千葉宗幸主将(3年)の言葉にじっと耳を傾けた。「この大会の中で仲間の大切さであったり、あきらめないことの大切さであったり、得た物の大きな大会でした」。佐々木を含めた選手、国保陽平監督(32)の取材対応はなかったが、誰も下を向かずに胸を張って報告した。

託された思いに応えるつもりだ。25日の岩手大会決勝では、出場しないまま敗退。準決勝前に右肘内側に違和感を訴えるなど、さまざまな要因で起用が見送られた。試合後、コンディションを最優先した温存策に「その分、自分も将来活躍したいと思う」ときっぱり言った。プロで羽ばたくことを願う周囲の期待をのみ込んだ。

その姿に学校も最大限のバックアップを行う。今後はプロ志望届を提出し、10月17日のドラフト会議を待つ見込み。千葉貢副校長は「仲間がいるところでドラフトの結果を聞きたいと思う。だから学校でやろうと。最初はリアスホールでやろうと思ったけど、彼だけになっちゃうからね」と説明。会見の場に市民会館を押さえるつもりだったが、ナインの絆と思い出の詰まった校内に設定される。

当面は課外授業など学校行事があるため、休みはほぼなし。進路表明会見などの時期も未定だ。朗希の夢は、大船渡の夢。運命の瞬間をみんなで待つ。【島根純】