「太鼓打法」でドンドン、ドンドン打ちまくる! 第101回全国高校野球選手権大会(明日6日開幕、甲子園)に45年ぶり5度目出場の秋田中央・斉藤椋平外野手(3年)は、秋田県で優勝して全国大会出場経験もある「太鼓の名手」。バチとバットの“二刀流”で鍛えた軸のぶれない打力で初戦突破を導く。立命館宇治(京都)との1回戦(7日)に備え、4日は京都府内のグラウンドで約2時間の調整を行った。

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斉藤椋が甲子園での闘志をバチバチ燃やした。37度に達した猛暑の中、打撃練習でも両足をしっかり踏ん張り、右打席から快音を連発。初戦の相手は京都大会で登板5試合すべて完投した左投手が想定され、「左ピッチャーには自信がある。小学校の頃から目標だった甲子園だったのでワクワクしているし、しっかりボールを強くたたいて右方向に打つイメージは出来ています」。打順は6番予想。秋田大会で1本塁打を含むチーム最高打率5割6分3厘を誇った勝負強さで、得点源の使命を担う。

直球にも変化球にも体勢を崩さない安定感は、保育園時代から始めた太鼓が原点だ。和太鼓クラブ「やまばと太鼓」に所属し、中2までは野球との二刀流。月、水、金は太鼓の練習に通い、火、木、土、日は勝平スポーツ少年団で野球。中学では和太鼓の秋田王者として全国大会に出場した。「太鼓はしっかり足も踏ん張ってたたく。小学校の頃から、体幹は自然に鍛えられた。力の入れ方など、野球に通じている部分もかなりあると思う」。リズム良く、強力打線の核となるつもりだ。

小中学生時代に1学年上のチームメートで、昨夏に金足農(秋田)で甲子園準優勝に貢献した高橋佑輔内野手(現東農大北海道オホーツク1年)から激励の電話も受けた。横浜との3回戦で中越え本塁打を放った姿には自身も刺激。「あの時は、まさかと思いましたけれど、カナノウは求めている役割をしっかり出来たことが結果につながったと思う。自分も負けていられない。チャンスで1本が自分の役割ですが、良い感じで大きいのも打てればいい」。甲子園での1発もド~ンと誓った。【鎌田直秀】